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全ての人が自ら創りあげて、そして消費する時代「クリエイターエコノミー」(前編)〜社会の価値観の変化に伴い生まれてきた創造的消費〜

デジタルプロモーション

UGCの時代

コロナ禍で時間の使い方が見直されてきた中で、人々の「消費行動」においても価値観の変遷が起こってきている。コロナ禍で外出制限がされる中で様々な消費活動はデジタル空間上で行うようになり、そして人々は直接顔を合わせる機会が減るからこそソーシャルメディアでのコミュニケーションが主流になってきている。そのような環境下で、人々の「消費行動」はただ何かを消費するのではなく、消費行動に伴って自分自身が何かを作り上げる体験が付加されるな「創造的消費」をするようになってきた。つまり、デジタル技術によって創造活動の民主化が進むとともに、生活者発信のソーシャルメディアがインフラとして社会に浸透するなかで、消費の価値も「モノを買って消費するスタイル」から、「製品サービスを活用して自分で価値を生み出すスタイル」へと変化を遂げてきている。

近年では、企業のSNSマーケティングにおいては、UGC(User Generated Content)が広く使われるようになってきている。企業が自身のSNSアカウントにて、企業側が作ったコンテンツを発信するのではなく、商品やサービス利用者がSNS等で出している投稿を流用して企業アカウントで発信するというスタイルであるが、このUGCが顧客の購買行動に大きな影響力を持つために、企業はこのUGCを活用するのが主流になってきた。我々の日常生活において「SNS上で友人知人が使っていた」「SNS上でフォロワーが薦めていた」ということをキッカケに商品やサービス・ブランドを知るということはごく当たり前の行動にもなっている。

UGCを活用する企業の例は世の中に溢れている。

GoPro

スポーツをはじめとした、様々なアクティブシーンで撮影できることで世界中で圧倒的な人気を誇る「GoPro」は、ユーザーからのレビューを積極的に活かして、UGCをマーケティング活用している。190万人のチャンネル登録者を誇るGoProのyoutubeチャンネルでは、様々なGoProユーザーの投稿を集めている。ユーザーが実際に利用している映像を見ることが商品理解に最も適しているとともに、ブランド側が提示している以上の利用用途をユーザーが発見してそれをシェアすることで、新しい価値をユーザー自身が発見して拡散させてくれている。

PELOTON

創業当初は全く投資家から理解を得られず、苦戦を強いられながらも、ライブ配信×ランニングマシーン×サブスクリプションという新しいビジネスモデルで一気にユニコーンとなり、そして上場まで果たした、アメリカ発のフィットネスプラットフォームのPELOTONも、UGCをマーケティングのコアに据えている。コロナ禍で多くの人がリモートワークを強いられる中で、在宅フィットネスの領域で大きな成長を遂げて、440万人を超えるユーザーを抱えている。

クリエイターエコノミーの概念

こうして企業がUGCを活用したマーケティングを展開することが主流になる中で、一般消費者が様々なコンテンツを制作する環境が整えられてきた。Youtuberやtiktoker、ゲーム配信者などに限らず、アーティストやジャーナリストなど、様々な領域のクリエイターが、自分自身のスキルによって収益を得られる経済の仕組みを「クリエイターエコノミー」と呼んでいる。クリエイターは、音声や動画、テキストコンテンツなどを販売し、ファンとの継続的な関係性を作ることでファンを囲い込みことで利益を生み出している。今年の8月には、BASE、note、UUUMが中心となり、クリエイターエコノミー協会も設立され、市場が着実に作られてきている印象を受ける。
(参考)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000082387.html
このクリエイターエコノミーにおいては、人々は「消費者」という存在であるだけでなく、「発信者」「販売者」「生産者」にもなりうるのである。それも、特定のクリエイターから特定の消費者に向かって1方向に提供されるのではなく、お互いが消費者であり、お互いがクリエイターであるという、双方向性が存在する。

本記事では、このクリエイターエコノミーを紐解くにあたって、4つの文脈から考えていきたい。1つ目は社会を構成する「人」視点で、Z世代とSNSの方向性の中でクリエイターの存在について考える。2つ目は「メディア」視点で、メディアの作り手が大企業から個人に変わってきている時代の流れについて考察する。3つ目は「テクノロジー」の観点から、NFTの存在がクリエイターエコノミーの成長性に欠かせないものになってきていることを技術の進歩を捉える。そして最後は「企業/ブランド」の視点から、企業にとっての消費者との関係性の変化を、クリエイターエコノミー目線で考え直してみる。

まず1つ目の視点は「SNS×Z世代」
インターネット世代と言われるミレニアル世代に対して、Z世代はスマホ世代と言われている。ミレニアル世代ももちろんスマホと共に育ってきてはいるが、Z世代は逆にスマホ以前の世界を知らずに育っている。それゆえに、スマホを全ての中心にあり、それに基づいた価値観、信頼しているブランド、好きなコンテンツが異なる。そしてもちろんのこと、SNSがスマホ中心生活のコアにあると言える。SNS慣れしているZ世代は、アナログ世代と比較して毎日圧倒的な量のコンテンツに触れ、それによって広告コンテンツとリアルコンテンツを一瞬で見抜くことができる。

中途半端にインフルエンサーを活用したプロモーションはむしろブランド信頼度を貶めることにつながる。このようなZ世代は、自身を消費者だけの存在として考えず、自分自身も何かを表現したいと考えている。自らのクリエイティブ性や、自分自身の弱みなど、個人個人で異なる価値観をそのまま表現できるプラットフォームを求めている。ミレニアル世代は「インスタ映え」が1つの価値観であり、それを求めてSNS等で表現してきたが、Z世代は個人個人の異なる価値観を違った形で表現することを求めている。

音声SNS「clubhouse」

ビジネスやエンタメの世界で様々な著名人が使い始めて話題となった、アメリカ発の招待性音声SNS。ユーザーひとりで2名までしか招待できないこともあり、このclubhouse招待を求める投稿や、招待してもらった喜びを表現する投稿が一時期SNSで溢れかえった。日本でも2021年1月下旬から爆発的な人気を誇り、これをきっかけとしてそれ以降様々な新しいSNSが登場し、SNS新時代を象徴するシーンとなった。

インスタント画像SNS「Dispo」

「今楽しむ」ことを徹底的に追求したインスタント写真型の画像投稿SNS。インスタントカメラのように、Dispoで撮影した写真は時間差を開けて、翌朝の9時になって初めて見ることができるようになっており、その「インスタント感」が話題になっている。画像にテキストをつけることはできず、純粋に画像をあげるだけの仕組みだが、そうした写真をユーザー同士でシェアすることで、特別な共有感を得られるようになっている。「インスタ映え」が当たり前の時代になった中、そうしたこれまでのSNSに疲れてしまった人が好むケースが多いと言われている。

<全ての人が自ら創りあげて、そして消費する時代「クリエイターエコノミー」(後編)
>へ続く

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